梅雨が明けると、日中の気温が30度を超える「真夏日」が増えてきます。さらに気温が35度を超える日のことを「猛暑日」ともいいますね。
结束了梅雨季,白天气温超过30度的“真夏之日”渐渐增多,甚至还会出现气温超过35度的“猛暑之日”。
今回は夏真っ盛りの7月の詩歌を紹介します。
这次我们就向大家介绍下盛夏时期的诗歌。
「真夏日」は新しい言葉で、あまり詩歌には使われてこなかったようです。
“真夏日”是一个新词汇,貌似很少在诗歌中被使用。
〈真夏日のひかり澄み果てし浅茅原にそよぎの音のきこえけるかも〉斎藤茂吉
“仲夏日光澄澈,可以听到浅草沙沙作响的声音。” 斋藤茂吉
真夏の太陽の光が極まったころ、耳をすませば葉のそよぐ音が聞こえるというのです。むせ返る真夏の昼日中の、しんとした空気を詠んだ歌です。
在盛夏阳光正是刺眼的时候,侧耳倾听,能听到树叶沙沙作响的声音。这是歌颂在这闷湿潮热的盛夏的午后,静悄悄的氛围的诗歌。
この言葉を使った俳句には、
使用了这一词汇的俳句有:
〈乱心のごとき真夏の蝶を見よ〉阿波野青畝
“心乱之时看看盛夏时节翩翩起舞的蝴蝶吧” 阿波野青畝
〈新しき色氷塊と真夏空〉飯田龍太
“新鲜光亮的冰块与盛夏的天空”饭田龙太
いずれも真夏のあざやかな色を詠っているのですが、そこには静かな空気も流れているようでもあります。
这两个句子虽然都有歌颂了盛夏时绚丽多姿的色彩,不过也写出了艳阳下静谧流淌的氛围。
あえて「真夏」という言葉を使わなくとも、ギラギラ照りつける陽光によって時間が止まったような、夏ならではの空気感を詠った歌もあります。
也有就算不刻意使用“真夏”这个词汇,也有能表现出在灼热烈日的照耀下仿佛时间停止了一般,这夏天独特氛围的诗歌。
〈砂浜のランチついに手つかずの卵サンドが気になっている〉俵万智
“沙滩的午宴,不禁对谁都没动过的鸡蛋三明治,垂涎三尺” 俵万智
〈夏まひるしんと寂しき居並びて一方へ引く棒杭の影〉黒木三千代
“盛夏正午,四下寂静中,阳光中排列着歪向一边木桩的影子” 黒木三千代
「暑し」という、夏の気分ズバリ!の季語もあります。
用“暑热”这个词汇,就能一针见血的概括出夏日的氛围!同时它也是季语。
〈暑き日を海に入れたり最上川〉芭蕉
“滔滔最上川,炎日入海流。” 芭蕉
〈恋しさも暑さもつのれば口開けて〉中村草田男
“恋爱情愫与暑热冲撞在一起时就大胆表白吧” 中村草田男
〈河童忌の朝から口の乾きける〉加古宗也
“从河童忌一早开始就口干舌燥” 加古宗也
入道雲、滝。そして、キラキラとした夏の“味わい”……
积雨云、瀑布。还有那些熠熠生辉的夏天的“味道”……
この季節らしい風景の代表としては、入道雲があるでしょう。俳句では「雲の峰」といいます。もくもくと力強くそびえる姿を山に見立てたのです。
作为这个季节最具有代表性的风景,当属积雨云了。在俳句中被称为“云之峰”。如同浓烟滚滚般浓厚的云堆积在一起就像令人恐惧的巍峨的山峰。
〈投げ出した足の先なり雲の峰〉小林一茶
“奋力迈出一步,脚边却是滚滚的乌云” 小林一茶
〈補陀洛(ふだらく)の雲の峰より滝の音〉角川春樹
“比補陀洛的云之峰更惊人的是瀑布的响声” 角川春树
「補陀落」とは観音様が住んでいるという山のこと。日光の男体山のことも補陀落山と呼びます。「滝」も夏の季語です。昔から和歌などにも詠まれてきましたが、夏の季語になったのは大正以降です。
“補陀落”指的是观音菩萨住着的山脉。日光火山群中的男体山也被称为“補陀落”。“瀑布”是夏天的季语。自古以来,经常在和歌中被咏唱,作为夏日季语是大正以后的事情了。
〈滝の上に水現れて落ちにけり〉後藤夜半
“瀑布之上,水花溅起又重重砸下”后藤夜半
〈滝落ちて自在の水となりにけり〉小林康治
“掉入瀑布,化身自由自在的水,顺应而下” 小林康治
〈天地のはじめのごとき滝かかる〉津田清子
“开天地之时有瀑布飞流直下” 津田清子
暑い中、夏に見る滝の姿は、涼しさを感じさせるとともに、あふれ出る水には、何か古代的な物事の始まりを感じさせます。
在炎热的夏天看到瀑布的姿态,在感受到凉爽的同时,那些飞溅出来的水花是否能令你开始感受到一些古老的东西渐渐发芽。
大人にとってはなんとも不快な夏ですが、詩歌の言葉の中に、キラキラとした夏の“味わい”を発見できるかもしれません。
对于大人来说,炎热的夏天总令人感到不快,不过在诗歌的字里行间,说不定能够发现一些熠熠生辉的夏天的“味道”。
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