DEARS 花言葉物語 青の季節
「球根を盗み出す奴なんているわけがないさ。あの花は咲いてこそ美しい、植えた球根が咲いてしまったら、すぐ皇后様の物だとばれてしまう。」しかし、球根を手に入れたご婦人はそのようなことを考えもせず、花を育ててみたいという思いのままに植えてしまったのです。それを知った皇后様は盗み取ったご婦人とかかわったすべてのものをフランスから追放しました。「皇后様に対し、私がしたことは確かに許されないことでした。」球根を盗むことに手を貸してしまった庭師は、皇后様のご前を去る前に言いました。「しかし、貴方様に見張られて咲くあの花は果たして幸せでしょうか。見事な美しい花をたくさんの方に分けて共に喜ぶことが花を愛する人の心ではないでしょうか。」深深と頭を下げて出ていく庭師の言葉は、皇后様の心に深く残り、次の年からは園遊会を行われず、見張りを置くこともなくなったそうです。そうして、球根は人々の手に渡り、その花を咲かせるようになりました。
以上、ダリアの花に見せられたご婦人方の物語でした。美しさが罪となるのは花も女性も同じことなのかもしれません。此花に贈られた言葉は感謝。その言葉の意味は、麗しい姿を拝見したときに感じる喜び対してのものなのか。