日语文学作品赏析《佐藤春夫氏の事》
一、佐藤春夫は詩人なり、何よりも先に詩人なり。或は誰よりも先にと云えるかも知れず。 二、されば作品の特色もその詩的なる点にあり。詩を求めずして佐藤の作品を読むものは、猶南瓜(かぼちゃ)を食わんと...
日语文学作品赏析《温泉だより》
……わたしはこの温泉宿(やど)にもう一月(ひとつき)ばかり滞在(たいざい)しています。が、肝腎(かんじん)の「風景」はまだ一枚も仕上(しあ)げません。まず湯にはいったり、講談本を読んだり、狭い...
日语文学作品赏析《十円札》
ある曇った初夏(しょか)の朝、堀川保吉(ほりかわやすきち)は悄然(しょうぜん)とプラットフォオムの石段を登って行った。と云っても格別大したことではない。彼はただズボンのポケットの底に六十何銭し...
日语文学作品赏析《夢》
わたしはすっかり疲れていた。肩や頸(くび)の凝(こ)るのは勿論、不眠症もかなり甚しかった。のみならず偶々(たまたま)眠ったと思うと、いろいろの夢を見勝ちだった。いつか誰かは「色彩のある夢は不健...
日语文学作品赏析《槍が岳に登った記》
赤沢 雑木の暗い林を出ると案内者がここが赤沢(あかざわ)ですと言った。暑さと疲れとで目のくらみかかった自分は今まで下ばかり見て歩いていた。じめじめした苔(こけ)の間に鷺草(さぎぐさ)のような...
日语文学作品赏析《妖婆》
あなたは私の申し上げる事を御信じにならないかも知れません。いや、きっと嘘だと御思いなさるでしょう。昔なら知らず、これから私の申し上げる事は、大正の昭代にあった事なのです。しかも御同様住み慣れて...
日语文学作品赏析《三つの宝》
一森の中。三人の盗人(ぬすびと)が宝を争っている。宝とは一飛びに千里飛ぶ長靴(ながぐつ)、着れば姿の隠れるマントル、鉄でもまっ二(ぷた)つに切れる剣(けん)――ただしいずれも見たところは、古道具...
日语文学作品赏析《南瓜》
何しろ南瓜(かぼちや)が人を殺す世の中なんだから、驚くよ。どう見たつて、あいつがそんな大(だい)それた真似をしようなんぞとは思はれないぢやないか。なにほんものの南瓜(かぼちや)か? 冗談(じよう...
日语文学作品赏析《老いたる素戔嗚尊》
一 高志(こし)の大蛇(をろち)を退治した素戔嗚(すさのを)は、櫛名田姫(くしなだひめ)を娶(めと)ると同時に、足名椎(あしなつち)が治めてゐた部落の長(をさ)となる事になつた。 足名椎は...
日语文学作品赏析《京都日記》
光悦寺 光悦寺(くわうえつじ)へ行つたら、本堂の横手の松の中に小さな家が二軒立つてゐる。それがいづれも妙に納(をさま)つてゐる所を見ると、物置きなんぞの類ではないらしい。らしい所(どころ)か...
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