沪江

日语文学作品赏析《女性崇拝》

岡本かの子 2010-01-13 00:00
 西洋人は一体いったいに女性尊重と見做みなされているが、一概いちがいにそうも言い切れない。欧州人の中でも一番女性尊重者は十指じっしの指すところ英国人であるが、英国人の女性尊重は客間きゃくまだけの女性尊重で、居間へ入ると正反対だという説がある。
 事実、英国人ぐらい文筆上で女性に対し諷刺ふうしや皮肉をろうし、反感を示している国民は少い。バーナード・ショウのごときも「人と超人」で、女性は魅力にって男から種の胚子はいしを奪い取り、次の時代の超人を造ろうとする自然の意図いとを無意識で執行しっこうする盲目の使途であるというように書いている。
 英国の倶楽部クラブの発達というものが、家庭における主婦の形式的女権じょけん窮屈きゅうくつからのがれようとする男性の自由の欲望から発達したものだという話もある。
 そうかと思うと、それほどけばけばしく女性尊重を放送しないフランス人が、家庭は全く主婦の女王の傘下さんか従順じゅうじゅんあたたまって易々諾々いいだくだくである。フランス人に言わせるとこの方が生活にも人生にも利口りこうなやり方だと言う。
武士道ぶしどうと言えば、女は眼中がんちゅうにないような風に言われながら、正妻せいさいとなるとなかなか格式を与えて十分な権利を主張せしめている。淀君よどぎみうつつを抜かした秀吉が、北の政所まんどころに対する態度などにみても相当彼女を立てているところがある。
 フェミニストにもいろいろある。全然女性なるものを知らない理想主義風に尊敬するものもあれば、変態的の性格から女性にへりくだるものもある。また「英雄が女性の胸に額をつけるとき、遠き星のささやきを聴く」事業上の霊感の交媒者こうばいしゃとして女性に神秘を感じ、フェミニストたるものもある。ジョセフィンに対するナポレオンはそれであった。
かく真のフェミニストは質的のものだ。女性から言えば、弱々よわよわしくフェミニストたらざるを得ない男性より昂然こうぜんとしていても、女性に理解力ある男性の方が見込みがある。

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