沪江

日语文学作品赏析《暫く黙せしめよ》

岸田國士 2010-01-13 00:00
 芝居のことについて、今、何も云ふ気にならぬ。根のひからびた樹木がある。枝をためて何にならう。
 優れた戯曲がぼつぼつ眼にふれる。楽しいが、淋しい。時代は進みつゝあるに違ひない。来るべきものが来るまで私はもう待てない。

 人が何かをしはじめようとすると、そんなことをして何になると云ふものがある。誰もなんにもしないでゐることは、誰もを不安にしないだけである。

 私は、自分の力を過信しないやうに努めてゐる。それでも、したいと思ふことをしないではゐられない。

 私は、芸術上のアンデパンダンを尊重するが、尊重するが故に、日本演劇の現代アカデミスムの樹立を要望するものである。この文化の過渡的矛盾を認識しないならば、新劇運動は永遠に貧困を脱し得ないであらう。

 権力と財力との微笑を警戒する人々よ、一度、その微笑なるものを見届けようではないか。

 アカデミスムとコンマアシヤリズムとの交叉点は、幸にして悪臭鼻をつくものがある。芸術家にとつて、真の芸術家にとつて、交通整理の必要は更にないのである。

 国立劇場の建設も結構であるが、私は、先づ官立俳優学校の設立を提唱する。目下計画中の演劇研究所プランを拡大して、その実現に邁進する覚悟である。

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