沪江

水团扇:集合自然素材与匠人手艺的工艺品(待审核)

优酱译 2018-08-31 06:30

爽やかな風が恋しい夏の日々が続いている。心の涼を得ようと、岐阜県の長良川沿いの産地に、自然素材を生かし切った「水うちわ」づくりを訪ねた。さらに近隣地の名産である木曽ヒノキの端材から作った、すがすがしい木工製品の作り手の話も聞いた。

清爽的微风在令人恋慕的夏日里持续着。为了使心灵的得到畅爽,我们造访了位于岐阜县长良川沿岸,以自然素材为原料制作“水团扇”的产地。另外,还探访一位以附近名产木曾桧的边角为材料制作清凉木工产品的匠人。

水にさっとくぐらせると、描かれた赤い金魚が今にも泳ぎだしそう。岐阜で作られる水うちわ。世界遺産の手漉(す)き本美濃和紙・雁皮(がんぴ)紙が材料だ。目を見張る透明感と耐水性はどう生まれるのだろう。

迅速放入水中,图案上所描绘的红色金鱼仿佛就在游泳似的。这就是在岐阜制作的水扇。材料是有世界遗产之称的手工抄制的本美浓和纸·雁皮纸。肉眼可见的透明感和耐水性是如何做到的呢。

美濃和紙のちょうちん作りで栄えた岐阜市で、水うちわが誕生したのは明治期末のことだ。この地を訪問した天皇への献上品として考案されるや評判を呼び、川に船を浮かべて水うちわを浸し、あおいで涼むことが流行した。

岐阜市因美浓和纸制作的灯笼而兴盛,水团扇的出现始于明治末期。作为进贡给访问此地的天皇的贡品而设计并得到好评,从此在河上坐着船用水团扇浸水乘凉成为一种流行。

だが和紙需要の減少で雁皮紙が漉かれなくなり、水うちわ製造は昭和の終わりに途絶した。地元の和紙問屋「家田紙工」の家田学さんらが復活させたのは10年前だ。

但是由于和纸需求的减少雁皮纸的抄制也慢慢变少,水团扇的制作也在昭和时期中断。当地的和纸批发商“家田纸工”的家田学先生等人在10年前使之重新复活。

■繊細な和紙と天然ニス使用

■使用纤细的和纸与天然的清漆

水うちわは職人技が結実した逸品だ。まずジンチョウゲ科の雁皮の繊維で紙を漉く。厚さ15マイクロメートル。オブラートのように薄く漉いた表面に絵付け後、紙は香川県丸亀市に送られ、うちわ職人の手で竹骨に貼られ再び岐阜へ。貝殻虫の分泌物をエタノールで溶いた天然ニスを塗り完成する。

水团扇是展示匠人技术成果的杰作。首先,用瑞香科的雁皮的纤维抄纸。厚度为15微米。在宛如糯米纸一样薄的纸张的表面上画完画后,纸张会被送到香川县丸龟市,在团扇匠人亲手贴完竹骨后重新送回岐阜。用酒精把介壳虫的分泌物溶化再涂上天然清漆就完成了。

バイオリンの最高峰ストラディバリウスにも使われたこのニスが、水をはじく膜となり、陽光にきらめく川面のような透明感のもととなる。

顶级小提琴Stradivarius也使用了这种清漆,形成一层排水膜,像湖面上闪耀着阳光一样具有透明感。

文献が少なく、復活は困難を極めた。一般的な和紙原料の楮(こうぞ)に比べ雁皮の樹皮は傷が多く、水の中でちりを除く下処理に手間がかかる。またその繊維は繊細で、水がぶつかるだけで層が崩れる。天日干しで破れるものも多く、「当初は9割が失敗作」と和紙職人の倉田真さん。明治期に使われた可能性があるニスを取り寄せ、雁皮紙との相性を確かめつつ、どれを選ぶべきか検証を重ねた。

由于文献少,这种工艺的恢复极为困难。与一般和纸的原料楮相比,雁皮的树皮有很多瑕疵,在水中去除灰尘需要花费时间。而且,它的纤维很纤细,水一碰就容易散。在太阳下晒过之后也会破裂,日本和纸匠人仓田真先生说“最初有9成都是失败的作品”。我们购入了在明治时代可能使用的清漆,并检验与雁皮纸的兼容性,反复验证该选择哪一种。

使うニスが決まった後も、天然ニスの乾きの悪さに悩まされた。「和紙の里であるここ美濃で先人の技の復活を図るため、昔ながらの材料と手仕事に徹した」と家田さん。水うちわは家田紙工が週末に運営する店舗「カミノシゴト」で手に入れられる。

在决定使用哪种清漆之后,又被天然清漆干燥的缺点所困扰。家田先生说:“为了恢复和纸之乡美浓人祖先的技术,我们一直贯彻使用过去的材料和手工”。水团扇可以在家田纸工周末运营的店铺“カミノシゴト”中买到。

美濃市から同じ岐阜県の美濃加茂市に向かう。ここでは木工作家の川合優さんが、木曽ヒノキなどから端正な木工品を削り出している。

从美浓市前往同处岐阜县的美浓加茂市。这里的木工川合优先生,用木曾桧等材料作出精美的木工品。

木くずが舞い散るなか、白い木肌に緻密な木目が浮かぶ。深山に漂う空気のような木曽ヒノキの香りが川合さんの工房に満ちる。

在木屑飞舞的环境中,白色的树皮上浮现出了精致的木纹。像在深山里飘荡的空气一样木曾桧的香味充满了川合先生的工作室。

木曽ヒノキは東濃、飛騨南部、信濃のごく一部の山域に分布する天然木だ。寒冷多雨な傾斜地という過酷な環境下、100年以上かけて年輪が詰まった美木に育つ。強さと秀麗さから古来多くの社寺に使われ、中世以降伊勢神宮の建材としても重用されている。

木曽桧是分布在东浓、飞弹南部、信浓的一部分山域中的天然木材。在寒冷多雨的山坡这一严酷的环境下,经过100年以上的生长拥有密集年轮的美树。自古以来在许多的神社寺院中被使用,中世以后作为伊势神宫的建材也被大量使用。

■木曽ヒノキの端材で壺作り

■木曽桧的边角料制作瓦罐

川合さんは、無塗装の木肌をそのまま見せる端正な作風で注目されている。この日は、美濃加茂市の工房で伊勢神宮に送られた樹齢300年のヒノキの端材を用い、壺(つぼ)作りに取り組んでいた。

川合先生以保持树皮无涂装,突出其精美的作品风格而备受瞩目。这一天,在美浓加茂市的工作室中他使用了伊势神宫送来的约300年树龄的桧的边角料制作瓦罐。

まず一抱えもある太い材を大まかに木取りし、旋盤に固定。頭に描く理想の姿を形にすべく、高速で回転する材を刃物で削り出す。「木と向き合ううちに『これだ』と確信する美の形が見えてくる。その美を見失わないよう、必死に刃先を当てる」

首先把一搂粗的木材大致截取一下,固定在车床上。以脑海中描绘的理想的姿态为形状,用刀裁削高速旋转的木材。“当木头面向自己的时候就能看到让自己坚信很美的形状。为了保持住美感,要拼命地击打刀尖。

一方では戦後植林されながら、需要の減少で伐採されずに残る人工林の杉や名もなき雑木にも引かれるという。「木目こそそろっていないが、表情が優しい。そんな健やかな木々も積極的に使う」

另一方面,据说在战后植树造林的同时,由于需求的减少而没有被砍伐的人工树林的杉树和无名的杂木也被使用。“正因为木纹不整齐,反而看起来很柔和。这种健康的树木也会经常被使用。

一例が美濃加茂市に多いアベマキ。かつて鍬(くわ)の柄など農具に多用された雑木だが、今は厄介者扱いされている。川合さんは、里山整備により地域の持続的発展を目指す市と協働。市が計画伐採したアベマキの原木を買い取り、スツールを製作した。「この国の暮らしは常に木々と共にあった。生活のなかに木がある心地よさを作品を通して伝えていきたい」と話していた。

在美浓加茂市盛产了很多的栓皮栎就是一个例子。曾经被广泛使用在农具上的杂木,现在却变成了一个累赘。川合先生与该市合作,旨在通过对里山的修整改善该地区的可持续发展。他购买了市里计划砍伐的栓皮栎,制作了凳子。“在这个国家生活就是与树木共生。我想通过作品传达生活中树木带来的舒适感”。

本翻译由沪江日语原创,未经授权禁止转载。

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