沪江

《你的名字。》为何未入围电影旬报?

ウサギ译 2017-01-21 06:30

先日、「第90回キネマ旬報ベスト・テン」が発表され、日本映画部門の1位には、のんが声優として主演を務めたアニメ映画『この世界の片隅に』が選ばれ、続く2位には『シン・ゴジラ』、3位には『淵に立つ』がランクインした。

日前,“第90届电影旬报BEST10”发布,日本电影部门名列榜首的,是能年担任声优的动画电影《在这世界的角落》,第二名则是《新·哥斯拉》,第三名是《临渊而立》。

そんな中、2017年1月9日現在、興収229億2482万5900円をあげて、日本映画歴代興行収入ランキングで『千と千尋の神隠し』に次ぐ2位という輝かしい記録を達成した『君の名は。』が10位圏外となり話題を集めている。

而在2017年1月9日票房收入达到229亿2482万5900日元、名列日本电影历代票房收入第二名(仅次于《千与千寻》)的《你的名字。》,却未能打入前十而成为大热话题。

「君の名は。」がまさかの圏外

《你的名字。》出乎意料未入榜

「キネマ旬報ベスト・テン」は1919年に創刊された映画誌「キネマ旬報」が、1924年から発表している歴史ある映画賞。

“电影旬报BEST10”是自1919年《电影旬报》电影杂志创刊以来,从1924年开始发布的具有悠久历史的电影奖项。

【作品部門】は、映画評論家や新聞記者、映画雑誌編集者などから選ばれた選考委員が、日本映画と外国映画それぞれ10本を選び、1位は10点、2位は9点……10位は1点と評価を数値化し、その合計点数で順位が決まる。そして、誰がどの作品に入れたか、そして選考理由などが2月上旬に発売される同誌の「特別号」で掲載される。

“作品部门”,是从电影评论家、新闻记者、电影杂志编辑等中选拔出的评选委员,甄选出日本电影和外国电影各10部,通过第一名10分、第二名9分……第十名1分这样的数量化评价,总计得分后来进行排名。而选择谁的哪部作品、选它的理由会在2月上旬发售的杂志“特别版”中揭晓。

多くの映画賞のように、ノミネーション作品を審査員が合議制で決める賞とは異なり、ある意味、透明度の高い賞となっている。

与许多其他的电影奖项不同,它并不是将提名的作品通过审查人员的协商来决定的,从某种意义上来说,是一个透明度较高的奖项。

個人が選んだベストテンの集合体の賞

个人选出的BEST10的集合体

選考委員はいわゆる映画に精通している人たちが多く、人によっては年間300本近く観賞し、その中から個人の基準に照らし合わせた10本(外国映画を合わせると20本)を選ぶのだが「キネマ旬報ベスト・テン」の特徴はここにある。

选拔人员大多是对电影比较精通的人,根据不同人的情况,大约一年会观赏300部电影,其中以个人的标准为主甄选出的10部电影(加上外国电影的话是20部),这便是“电影旬报BEST10”的魅力所在。

いわゆる興行的に成功した作品の中から選ぶのではなく、規模の大小を問わず、そこにはある程度の客観的視点はあるとは思われるが、基本的には個人が選んだベスト・テンの集合体の賞である。しかも、審査委員はそれぞれが映画に対してかなり個性的な視点を持った人たちだ。

它并不是从票房大卖的作品中选出的,而是无论其规模的大小,而只要在某个程度上有一些客观性的观点得到了个人的认同即可,所以它一般来说是一种个人选出的BEST10的集合体奖项。甚至于,审查人员们各自对电影都有着十分个性化的看法。

そんな中、客観性を持たせるのは、「キネマ旬報」が選んだ選考委員のバランスと言えるだろう。映画に対して明確な意識を持つ個性的な論者たちを、年齢、性別など幅広く揃えることによって、偏りを少なくするというのが前提。とはいえ、やはり過去のベスト・テンをみれば、いわゆる興行的な“大ヒット作品”とは全く異なったラインナップと言える。

选拔委员们所带有的客观性,正可谓是“电影旬报”甄选的平衡感吧。对于电影带有明显个性意识的评论者们,无关年龄、性别等因素而聚集在一起,前提便是少了些偏倚。即便如此,从过去的BEST10名单来看,可谓是和票房“大热的作品”完全不同呢。

前述したように、2016年に歴史的な大ヒットを遂げた『君の名は。』はベスト・テンにランクインしなかったが、近年を振り返ってみても、興行収入ランキングで上位の作品が「キネマ旬報ベスト・テン」に入らないことは決して珍しいことではない。キネマ旬報元編集長の関口裕子氏は、次のように語る。

如上文所述,2016年创下历史性大卖纪录的《你的名字。》没能入榜,但回顾近年的榜单,票房收入高的作品没能入选“电影旬报BEST10”也并非罕事。电影旬报原主编关口裕子如下说到。

「評論家が選ぶベスト・テンは必ずしも興行成績と一致しません。評論家は、観客が発見できなかった、つまり興行的には振るわなかった映画も見ていますので、何人かがそんな作品を持ち点の高い上位で推してくれば、一般の方にとって耳慣れない作品がランクインしてくることもあるわけです。ランクインする作品には2種類のタイプがあります。ひとつは、1位(10点)で推してくる方が数人いるケース、下位(1点、2点)ではあっても比較的多くの方が支持するケース。『君の名は。』は後者なのではないでしょうか? ですので、評価した方は多いものの、得点にはたぶん結びつかなかった。ただ、2月3日発売の『キネマ旬報』で発表される読者のベスト・テンは、皆さんがご覧になっている興行収入が高い作品が上位に選ばれることが多いため、ランク・インの可能性は高いでしょう」

“评论家们选出的BEST10并非一定和票房成绩挂钩。评论家们看的,是观众没能发现,也就是说, 在票房上并没有很大成就的电影,然后好几个人把这部作品推升到了一个高分点,所以对于一般的人来说,的确极有可能是不曾耳闻的作品。而上榜作品一般有两种类型。一种是多人推为第一名(10分)的作品,就算有低位(1分、2分)评分,但总体比较来看也是有多数人支持的。那么《你的名字。》是否就是属于后者呢?因此,虽然获得了众多评价,但也许与得分未能挂钩。不过,2月3日发售的《电影旬报》中发布的读者选出的BEST10,也许它就有可能入围呢,因为大多会选择大家看过的高票房收入的作品。”

「アナ雪」も「永遠の0」も圏外

《安娜与雪之女王》《永远的0》也都未上榜

2015年興行収入1位だった『ジュラシック・ワールド』は、4人の選考委員がベスト・テン内に挙げたものの、外国映画では34位。2014年、254億円というモンスター級のヒットを記録し興行収入1位に輝いた『アナと雪の女王』も、「キネマ旬報ベスト・テン」では3人の選考委員がベスト・テン内に入れただけで、70位という結果だった。

2015年票房收入第一名的《侏罗纪世界》虽然有四位选拔委员将它选为BEST10,但仅名列外国电影第34名。2014年,创下254亿日元天价票房纪录的名列榜首的《安娜与雪之女王》,也仅有3位选拔委员将它纳为电影旬报BEST10,因此最终只获得了第70名。

ちなみに2014年の邦画興収1位だった『永遠の0』も「キネマ旬報ベスト・テン」では26位(公開が2013年だったので、順位は2013年のもの)だった。

顺便提一下,2014年日本电影票房第一的《永远的0》也仅名列电影旬报第26名(因2013年公映,所以排名是2013年的)。

一方で、近年の「キネマ旬報ベスト・テン」の日本映画1位を見ると、2015年が『恋人たち』(松竹ブロードキャスティング=アーク・フィルムズ)、2014年が『そこのみにて光輝く』(東京テアトル)、2013年が『ペコロスの母に会いにいく』(東風)、2012年が『かぞくのくに』(スターサンズ)、2011年が『一枚のハガキ』(東京テアトル)と、公開規模は小さいものの、人間を正面から描いたメッセージ性が強い作品が並んでいる。

另一方面,纵观近年电影旬报BEST10的日本电影第一名,2015年是《恋人们》(松竹株式会社)、2014年是《只在那里发光》(东京剧院)、2013年是《去见小洋葱的母亲》(东风)、2012年是《家族的国度》(sun-star)、2011年是《一封明信片》(东京剧院),虽然都是小规模公映的电影,但大多是从正面描写人性的、传播性很强的作品。

以前、ある映画評論家が「『キネマ旬報ベスト・テン』や『日本映画プロフェッショナル大賞』などは、作家性の強い作品が好まれる傾向があり、日本アカデミー賞は大衆性が重視されている」と話していたが、今年の「キネマ旬報ベスト・テン」も、前述の1~3位以外にも、『ディストラクション・ベイビーズ』、『永い言い訳』、『湯を沸かすほどの熱い愛』、『オーバー・フェンス』など、まさにそんな傾向が当てはまるラインナップとなっている。

之前,某位电影评论家曾说过,“电影旬报BEST10”和“日本电影专业大奖”等,比较倾向于作家性较强的作品,而日本电影学院奖则比较重视具有大众性的作品。今年的电影旬报BEST10,除了上述的1-3名外,还有《错乱的一代》《永远的托词》《滚烫的爱》《跨越栅栏》等,的确都是这样倾向的作品。

選考委員たちの嗜好はより強い作家性?

比起选拔委员们的爱好,更多会选择具有强烈作家性的作品?

決して『君の名は。』が、大衆性の勝ったエンターテインメント作品という決めつけで、ベスト・テンに入らなかったというわけではないだろう。 新海誠監督が作り出す写実的な映像の美しさや、登場人物が抱える孤独や焦りなどには、しっかりとした作家性が感じられる。

当然,《你的名字。》并不是因为属于大众性的娱乐作品而未能上榜。新海诚导演所创作出的写实性的影像美仑美奂,那些登场人物所怀有的孤独与焦虑等情绪,也让人充分感受到了作家性。

では、なぜ上位に入らなかったのか。それは『君の名は。』の評価が低いのではなく、『君の名は。』ほど知名度はないものの、他にも力のある作品はたくさんあり、その存在をより多くの方に知ってもらいたいという評論家らの思いが、ベスト・テンへの投票に託されるからなのではないか。「キネマ旬報」に掲載される選考委員の選評からも、そんな個性的な作品への支持が感じられる。

那么,为何它未能上榜呢?那绝不是因为对《你的名字。》评价低,而是那些没有《你的名字。》的知名度,却有着其他力量的作品数不胜数,评论家希望能让更多人知道那些作品的存在,才把票投给了其他的作品吧。电影旬报中刊登的选拔委员们的评论中,也能感受到他们对个性化作品的支持。

一方、「キネマ旬報ベスト・テン」で2位だった『シン・ゴジラ』は、現代社会に対して非常に強いメッセージ性を内在しながら、エンターテインメント作品として興行的にも大成功を収めるという、ある意味で2016年最大の衝撃的作品だったのかもしれない。

另一方面,电影旬报BEST10中名列第二的《新·哥斯拉》,不仅有着面对现代社会传递着强烈讯息的内在风格,而且作为娱乐作品也获得高票房的好成绩,从某个意义上来说,也许是2016年最具冲击力的作品了吧。

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