沪江

日语文学作品赏析《新緑の庭》

芥川龍之介 2010-01-06 00:00
 桜 さつぱりした雨上りです。もつとも花のがくは赤いなりについてゐますが。

 椎 わたしもそろそろ芽をほごしませう。このちよいと鼠がかつた芽をね。

 竹 わたしは未だに黄疸わうだんですよ。…………

 芭蕉 おつと、この緑のランプの火屋ほやを風に吹き折られる所だつた。

 梅 何だか寒気がすると思つたら、もう毛虫がたかつてゐるんだよ。

 八つ手 かゆいなあ、この茶色の産毛うぶげのあるうちは。

 百日紅さるすべり 何、まだ早うござんさあね。わたしなどは御覧の通り枯枝ばかりさ。

 霧島躑躅つつじ 常――常談云つちやいけない。わたしなどはあんまり忙しいもんだから、今年だけはつい何時にもない薄紫に咲いてしまつた。

 覇王樹サボテン どうでも勝手にするが好いや。おれの知つたことぢやなし。

 石榴ざくろ ちよいと枝一面に蚤のたかつたやうでせう。

 苔 起きないこと?
 石 うんもう少し。

 楓 「若楓茶色になるも一盛り」――ほんたうにひと盛りですね。もう今は世間並みに唯水々しい鶸色ひはいろです。おや、障子に灯がともりました。

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