沪江

新标准日本语高级:第十四课 政治

2016-09-15 06:00

会話

立候補のうわさ
上海。JC企画上海支社·支社長として勤務する森健太郎のもとに、元同僚の今井から電話がかかってくる。衆議院議員選挙に立候補するという今井のことを、オフィスで部下の山田と話す。

健太郎:山田君、今井君って知ってる?
山田:ええと…、営業部にいた今井さんのことですか。
健太郎:そう。あの今井君。
山田:知ってますよ。でも、たしか1年ぐらい前に辞めたんじゃなかったですか。
健太郎:そうそう。その今井君が、何と今度の衆議院議員選挙に立候補するって。
山田:ええっ!議員に立候補?何でまた?
健太郎:いやあね。何でも大学の先輩が議員をやってて、それで、彼は大学のころからボランティアで選挙の手伝いをしてたらしいんだよ。
山田:ああ、確かにそういう話、聞いたことあります。
健太郎:で、そのころから政治に対する熱い思いがあったんだってさ。当選すれば、純粋で情熱的な人だから、すばらしい政治家になるんじゃないかな。
山田:ぼくの身近から政治家が誕生するなんて、驚きました。政治家って、世襲とか元官僚がなるもんだとばかり思ってましたから。
健太郎:おいおい、まだ当選したわけじゃないんだよ。それに、世襲とか、元官僚がなるというのもおかしな思い込みだよ。この前、現役の女子大生が町会議員に立候補して、当選したことがあっただろう。
山田:そうでしたね。被災した町をなんとしても復興したいという思いで立候補したんですよね。それにしても、支社長、今井さんが立候補するって、どうして分かったんですか。
健太郎:どうしても何も、昨日、本人から直接電話がかかってきたんだよ。よろしくお願いしますって。
山田:へえ。それこそ「清き一票をお願いいたします!」っていうやつですね。
健太郎:当選したら国会議員。JC企画から政治家かあ…。想像しただけでもわくわくしてくるよ。

新出語彙1

いまい(今井) [专] 今井
てつだい(手伝い) [名] 帮忙、帮助
とうせんする(当選~) [名·サ変自] 当选
じゅんすい(純粋) [名·形2] 纯真、无私心杂念
せしゅう(世襲) [名·サ変他] 世袭
かんりょう(官僚) [名] 官僚
おもいこみ(思い込み) [名] 错误认为
じょしだいせい(女子大生) [名] 女大学生
ちょうかいぎいん(町会議員) [名] 乡镇议员
ひさいする(被災~) [名·サ変自] 遭灾
こっかいぎいん(国会議員) [名] 国会议员

どうしてもなにも(どうしても何も) 也没怎么
きよきいっぴょう(清き一票) 清纯的一票

课文

日本の政治

日本国憲法では、三権分立を国の基本制度としている。三権とは、法律を作る立法機関(国会)、国会で決まった法律や予算に基づく政策を実行する行政機関(内閣)、憲法や法律に違反していないかを裁く司法機関(裁判所)の3つを指す。そして、各機関に権限を与え、それぞれが独立機関として、互いに抑制し合い、権力の行き過ぎを防ぐことを「三権分立」という。

□日本の政治の仕組みと国会の仕事(憲法第41条)
現在の日本の政治は、議会制民主主義(議会政治)によって行われている。国の意思決定を行う最高機関は「国会」と呼ばれ、選挙で選出された国民を代表する議員によって構成される。法律を作ることを「立法」といい、国会だけが行える重要な仕事になっている。予算の議決、内閣総理大臣の指名なども国会の重要な仕事である。

□衆議院と参議院(憲法第42条)
国会は、衆議院と参議院の二院からなっている。なぜ二院制を取っているかというと、法律など国にとって大事な問題について、2つの視点でダブルチェックできるからである。

□国会議員の選び方(憲法第43条)
国会議員は、国民の意思が政治に反映されるように、国民の中から選挙によって選ばれている。衆議院議員の数は480人、参議院議員は242人で、立候補できる年齢も、衆議院は満25歳以上なのに対して参議院は満30歳以上と異なる。

□参政権(憲法第44条)
国の政治(国政)に参加する権利を「参政権」という。参政権には、主に投票する権利(選挙権)と、選挙に立候補する権利(被選挙権)がある。「選挙権」「被選挙権」はともに、性別によらず、年齢を含む一定の要件を満たせば、すべての国民に与えられる。地方への参政権も衆参両院の国政選挙と同様で、下記の要件を満たしさえすればよい。たとえば、東京都知事の場合、満30歳以上の国民であれば、だれでも立候補できる。

□内閣の仕事(憲法第65条)
法律や予算に従って、実際に政治を行うことを「行政」という。国の最高の行政機関は「内閣」で、その最高責任者は内閣総理大臣である。内閣総理大臣は、各省などの長である国務大臣を任命して内閣を組織している。予算を作って国会に提出することや、外国と条約を結ぶことが内閣の主な仕事である。

□裁判所の仕事(憲法第76条1項)
争いごとを解決したり、罪のあるなしを判断したりするのが裁判所の仕事である。裁判官は、国会や内閣から独立して、どこからも影響を受けず、憲法や法律に基づいて公正な判断をする。こうした裁判所の働きを「司法」という。

2009年に「裁判員制度」が導入されてからは、特定の刑事裁判に限り、満20歳以上の日本国民から無作為に選ばれた人が裁判員となり、事件ごとに裁判官と審理に参加している。

<日本国憲法より>
第四章 国会
第四十一条
国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。
第四十二条
国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
第四十三条
両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
②両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。
第四十四条
両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない。
第五章 内閣
第六十五条
行政権は、内閣に属する。
第六章 司法
第七十六条一項
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

新出語彙2

さんけん(三権) [名]三权
ぷんりつ(分立) [名·サ变自] 分立
りっぽう(立法) [名] 立法
ぎょうせい(行政) [名] 行政
さばく(裁く) [动1他] 裁判、仲裁
しほう(司法) [名] 司法
さいばんしょ(裁判所) [名] 法院、法庭
けんげん(権限) [名] 权限、职权范围
けんりょく(権力) [名] 权力
いきすぎ(行き過ぎ) [名] 过度、过火
こっけん〈国権) [名] 国家权力、主权
ゆいいつ(唯一) [名] 唯一
りょういん(両院) [名] 两院(众议院和参议院)
さんぎいん(参議院) [名] 参议院
ぎいん(議院) [名] 议院
そしき(組織) [名・サ变他] 组织、机构
さだめる(定める) [动2他] 规定、决定
せんきょにん(選挙人) [名] 选举人
じんしゅ(人種) [名] 人种、种族
しんじょう(信条) [名] 信仰、信条
もんち(門地) [名1] 门第
さべつする(差別~) [名·サ变他] 歧视、加以区别
さいこうさいばんしょ(最高裁判所) [名] 最高法院
かきゅうさいばんしょ(下級裁判所) [名] 下级法院
みんしゅしゅぎ(民主主義) [名] 民主主义
いし(意思) [名] 意志
せんしゅつする(選出~) [名·サ变他] 选拔、选出
ぎけつ(議決) [名·サ変他] 议决、表决
にいん(二院) [名] 二院、两院
してん(視点) [名] 角度、观点、视点
ダブルチェック [名·サ变他] 双重把关;再次确认
はんえいする(反映~) [名·サ査他] 反映.反射
さんせい(参政) [名] 参政
こくせい(国政) [名]国家政治,国政
ようけん(要件) [名] 必要条件、要事
とどうふけん(都道府県) [名] 都道府县
しちょうそん(市町村) [名] 市町村
くいき(区域) [名] 区域
ひきつづき(引き続き) [名] 连续;继续
ちょう(長) [名] 长、首领
こくむだいじん(国務大臣) [名] 国务大臣
にんめい(任命~) [名·サ变他] 任命
じょうやく(条約) [名] 条约
あらそい(争い) [名] 纷争
つみ(罪) [名] 罪行
あるなし [名] 有无
さいばんかん(裁判官) [名] 法官
こうせい(公正) [名·形2] 公正
さいばんいんせいど(裁判員制度) [名] 审判员制度
とくてい(特定) [名] 特定
けいじさいばん(刑事裁判) [名] 刑事判決
むさくい(無作為) [名] 随机、非人为
さいばんいん(裁判員) [名] 审判员
しんり(審理) [名·サ変他] 审理,审判

~権(けん) ~权
~制(せい) ~制度
~項(こう) ~项、~条
~主義 ~主义
被(ひ)~ 被~
満(まん)~ 满~

下一页:课文解说1

课文解说1

1.课文特点 [宪法及法律条文]
·日本国宪法
民主国家日本在政治上的特点是“三权分立”。这记载于《日本国宪法》的第4章~第6章(第41条~第82条),课文只是选取了其中极少一部分进行介绍。在这里,首先简单地介绍一下《日本国宪法》的全貌。
·法律条文的特点
法律条文有不同于一般文章的各种特点。在这里,我们以法律之一的“著作権利(著作权法)”条文为例,看一下法律条文的特点。

“著作権利(著作权法)”于1970(昭和45)年5月6日实施,到2010(平成22)年12月经历了30余次修改。是规定著作者权利及出版权的文件,全文由4章124条及附则构成。我们这里引用的是第2章“著作者の権利(著作者的权利)”中的第9节“補償金等(补偿金等)”,由4个项目构成。

引用的”补偿金等的委托保管”条文,规定了教科书里刊登他人作品无法支付补偿金,或补偿款的支付不适当时必须委托保管等相关的必要事项。所请“補償金(补偿金)”,是指作品刊登于教科书,图书时,刊登者须向著作权人支付的金额,该金额每年由文化厅长官决定。另外,所谓“委託(委托保管)”,是指为了做担保而将金钱等提交给国家机关的委托保管部门代为保管。“委託所(委托保管部门)”是指法务局、地方法务局等法务省的机关。

上述文章可以列举以下特征。这也适用于所有的法律条文。
(1)与“において”“にあっては”“による”等书面语相对应,使用”準用””榷知”“当該”“係る”“有する”等法律术语。“係る”除了表示①“有关系”这种较一般的用法外,还以”Aの+サ变动词词干+に係るB”的形式,表示②”A所……的B”的意思。只是这种说法较为古老,现在已经很少用了。
·この法律は、プログラムの著作物に係る登録に関し、著作権法(昭和45年5月6日法律第48号)の特例を定めることを目的とする。 [①]
(这项法律的目的是针对登陆电脑程序作品,制定著作权法〈昭和45年5月6日法律第48号>的特例。)
·文化庁長官の裁定に係る補惜金の額についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。 [②]
(对于文化厅长官裁定中涉及的金额部分的不服,不可以作为对裁定本身不服的理由。)

(2)使用“又は”“並びに”“若しくは”“ただし”等可增强逻辑性的词语。
(3)除以”含む”“除く”等基本形结句以外,以“~でない”“~なければならない”(初级第四课)“~てはならない”(高级第四课)“~ものとする”“~こととする”等结句也较多。
(4)指人时,用“~する者”“~した者”“~すべき者”而不指特定的人。
(5)一般句子较长,修饰语也比较复杂。后续句子时,不以“~て”中止,而用动词ます形去掉“ます”的形式连接(中级第2课),如“支払い、~”“拒み、~”。
(6)多用指示词,如“その者”“その旨”等。

——それぞれが独立機関として、互いに抑制し合い、権力の行き過ぎを防ぐことを「三権分立」という。

2.行き過ぎ
“动词ます形去掉‘ます'+過ぎる”表示动作超过了正常的程度(初级第44课)。“行き過ぎ”是“行き過ぎる”的名词形式,意思是“行为过度”。另外还有“言い過ぎ(言过其实)”“やり過ぎ”(做过头)”“寝過ぎ(睡过头)”“笑い過ぎ(笑过头)”等。一般用“~過ぎた”“~過ぎの~”的形式。
△いくらお腹がすいているといっても、ラーメン3杯はちょっと食べ過ぎじゃないか。
(肚子再饿,吃3碗拉面也还是太多了。)
△いくら発言は自由だといっても、田中は言い過ぎのような気がする。
(我觉得,再怎么说发言自由,田中也说得太过了。)
△5分遅刻したくらいで、始末書を書かせるのはやり過ぎだと思う。
(不过迟到了5分钟就让人写检讨,有点儿过分了。)

——すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

3.~により~ [书面语]
“~により~”意思为“~によって~”相同,前者的书面语色彩更强些。“~によって~”还有初级第41课,中级第6课,中级第10课中已经学过的如下用法:
△この建物は有名な建築家によって設計された。(被动句的动作者)
(这座建筑是著名建筑学家设计的。)
△受験に必要な書類は大学によって異なる。(不同状况)
(参加考试所需的文件,毎个大学都有所不同。)
△彼は疲れた時に温泉に行くことによってリフレッシュしている。(手段)
(他在疲劳时利用洗温泉的方式使自己恢复精力。)
△コンピュータソフトの不具合によって銀行のATMが使えなくなった。(原因)
(由于电脑程序故障,银行的ATM机不能使用了。)

课文中的“~により~”还用于表达“基于……,……”的含义(初级第23课)。例如:
△警察は犯罪者を法律によって逮捕し、起訴するために必要な証拠を集めて犯罪の事実を明らかにする。
(警察根据法律对犯罪者实施逮捕,并为了提供起诉所需证据而査清犯罪事实。)
△貿易協定の内容は相手国の要望により変更された。
(贸易协定的内容根据对方国家的要求做了变更。)

——国会は、衆議院と参議院の二院からなっている。なぜ二院制を取っているからというと法律など国にとって大事な問題について、2つの視点でダブルチエックできるからである。

4.なぜ~かというと~からだ/なぜかというと~からだ
在陈述某个事项相关的理由时,使用“なぜ~かというと”“なぜかというと”的表达方式,后接表示理由的~からだ/~からである”。该表达方式可以使句子简短地结束,并实现对理由的强调,另外,“なぜ”可以替换“どうして”但“なぜ”属于书面语。
△わたしたちはあえて宣伝はしません。なぜかというと、宣伝しなくても、いい物は売れると思うからです。
(我们刻意不做宣传。为什么呢?是因为我们认为即便不做宣传,好东西也会卖得好。)
△どうしてここに来たかというと、海が見たかったからだ。
(要说为什么到这里来,那是因为想看大海。)
如果将上例变为“宣伝しなくても、いい物は売れると思うから、わたしたちはあえて宣伝はしません。”,则句子显得太长。

另外,“なぜ~かというと”的形式。其中的“なぜ”也用“だれ”“いつ”“どこ”等疑问词替换。这种中途改成疑问的说法,有向对方强调的效果。
△当時、社内で大きな改革が行われました。その改革を提案したのはだれかというと、田中部長です。
(当日进行了大力度的改革。那么提出这项改革的是谁呢?他就是田中部长。)
△わたしはその女性に会ったことがある。いつかというと、今からちょうど10年前だ。
(我见过那位女士。要说是什么时候,正好是10年前。)
△新種のチョウが発見されました。どこで発見されたかというと、アマゾン川の上流です。
(发现了蝴蝶的新种。那么是在哪里发现的呢?是在亚马逊河的上游。)

下一页:课文解说2

课文解说2

——「選挙権」「被選挙権」はともに、性別によらず、年齢を含む一定の要件を満たせば、すべての国民に与えられる。
——地方への参政権も国政と同様で、下記の要件を満たしさえすればよい。

5.~によらず
“名词十によらず”意思是”与……无关”。
△理由のいかんによらず、ここは立ち入り禁止である。
(无论理由如何,这里禁止入内。)
△彼は見かけによらず、純情な青年だ。
(到看他的长相,他其实是一个纯情的青年。)

6.“~ば”和“~さえすれば”
“満たせば”是他动词“満たす”的ば形(初级第37课),意思是“使……满足的话”“満たしさえすれば”则是“満たす”的ます形去掉“ます”的形式加上表示强调的“さえ”和“すれば”,意思是“只要……使满足的话”。“~さえすれば”表示最低条件(中级第7课)。课文中的句子也可以说成“下記の要件さえ満たせば”,但用“下記の要件を満たしさえすれば”则会使条件的的语感更加强烈。サ变动词也一样,一般用“勉強さえすれば”的说法,而用“勉強しさえすれば”则强调条件的情感更加强烈。
△この薬を飲みさえすれば、具合はよくなるはずだ。
(只要吃了这个药,病情就会好转。)
△この授業は出席しさえすれば、単位がもらえる。
(这个课只要去/来听,就能拿到学分。)

——例えば、東京都知事の場合、満30歳以上の国民であれば、だれでも立候補できる。

7.“~であれば”和”~なら”
“国民であれば”是表达断定的“国民である”后接表示假定条件的“ば”意思是“以是本国国民为条件”。也可以说“国民なら”。“~であれば”与“~なら”相比书面语色彩稍重。
△就職は、大企業であれば、どこでもいい。
(找工作,只要最大企业,哪里都可以。)
△日本では、20歳以上の成人であれば、お酒を飲むことができる。
(在日本,只要是20岁以上的成人就可以饮酒。)

——2009年に「裁判員制度」が導入されてからは、特定の刑事裁判に限り、20歳以上の日本国民から無作為に選ばれた人が裁判員となり、…

8.~に限り
“Aに限り、B”意思是“把范围仅仅限定于……”,表示B部分的状态只有在A的条件下才能成立。
△今日に限り、入館料は無料です。
(入馆免费収限今日。)
△国際線に限り、割引のサービスが適用されます。
(打折优惠仅适用于国际航班。)
“限り”表示限定,与“~に限らず(高级第1课)和“~は~に限られます”(高级第3课)词源相同。
△今日に限らず、入館料はいつも無料です。
(不仅今天,入馆一直免费。)
△割引のサーピスの適用は、国際線に限られます。
(打折优惠仅适用于国际航班。)

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