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むかしむかし、あるところに、とても上手な三味線ひきのおじいさんがいました。
很久很久以前,在某个地方,有个很擅长弹三味弦的老爷爷。
♪テンテンテン♪テコテコ、シャンシャンと、ひきながらあっちの村、こっちの村へとまわり、みんなからお金をもらって暮らしていました。
♪叮叮叮♪叮咚叮咚,沙沙,老爷爷一边弹一边来往于各个村落,靠大家的赏钱为生。
ある冬の事、いつものように三味線をひきながら村はずれの道までくると、雪が降ってきました。
有一年冬天,像往常一样弹着三味弦来到村子尽头的路上时,下雪了。
(啊,这下糟了)雪越下越大,直到变成了暴风雪。「这哪里有个可以呆的地方啊」可是环视四周,没有一户人家。
おじいさんが三味線をかかえながらとぼとぼ歩いていると、目の前に大きな木が立っていました。
老爷爷抱着三味弦,慢慢腾腾地走着,眼前出现了一棵大树。
ふと見ると、みきのところに人が入れるぐらいの穴が開いています。
一看居然发现树干部分有个能进人的洞。
(こいつは、ありがたい)おじいさんは、さっそくその穴の中へ入りました。
(这可真是太好了)老爷爷马上走进了那个洞。
穴の中は思ったよりあたたかくて、いい気持ちです。
洞中比想象的还要暖和,令人感觉很舒服。
おじいさんはくたびれていたので、だんだんねむくなってきました。
老爷爷太累了,渐渐地开始犯困了。
(いかんいかん!こんなところでねむったら、死んでしまうぞ)おじいさんは三味線をかかえると、眠気覚ましにひきはじめました。♪テンテンテン♪テコテコ、シャンシャン
(不行不行!在这种地方睡着的话会死掉的)老爷爷抱着三味弦,为了驱赶睡意开始弹了起来。♪叮叮叮♪叮咚叮咚,沙沙
ところが雪は三味線の音に合わせるように、ますます激しく降ってきます。
但是,雪却和三味弦的音乐配合一样,越下越厉害了。
おじいさんは三味線をひくのをやめて、雪が降るのをぼんやりとながめていました。もう、ねむくてねむくてたまりません。
老爷爷不再弹三味弦,只是望着雪发呆。而且越来越困,困得不得了。
それでもしばらく目を開けていましたが、そのうちにぐっすりとねむりこんでしまいました。
虽然又睁了一会眼睛,可是不一会就完全睡着了。
何日も何日もねむり続けているうちに、木はどんどん大きくなって、おじいさんを中に入れたまま、穴をふさいでしまったのです。
就这样不知睡了几天后,树渐渐长大了,老爷爷还在里面,可是洞口却被堵住了。
おじいさんはそれっきり、もう二度と目を覚ますことはありませんでした。
老爷爷在那之后再也没有醒过来。
さて、やがて冬が終わり、春がやってきました。
好不容易冬天过去了,春天来了。
「三味線ひきのおじいさんは、どうしたのかな?」
「那个弹三味弦的老爷爷怎么样了?」
「そういえば、近頃はさっぱり姿を見せなくなったな」
「这样说起来的话,最近好像没有看到嘛」
どの村でも、おじいさんのうわさをしていましたが、そのおじいさんがどこからきて、どこへ帰っていくのか、だれも知らなかったのです。
虽然村里有各种关于老爷爷的传言,可是谁都不知道那个老爷爷从哪里来到哪里去了。
ある日の事、近くの村人がこの木の下を通りかかりました。
有一天,附近村民经过那棵树下。
すると、あたたかい春の風がふいてきて、木の葉っぱがさわさわとゆれました。
暖洋洋的春风吹来,树叶随风摇摆。
その時です。♪テンテンテン♪テコテコ、シャンシャンどこからともなく、三味線の音が聞こえてきました。
就在这时候。♪叮叮叮♪叮咚叮咚,沙沙不知从哪里传来了三味弦的声音。
(あっ、三味線ひきのおじいさんがきたぞ)村の人は振り返りましたが、だれもいません。(おかしいな?)
(啊,是弹三味弦的老爷爷来了)可是村民回头看却发现没有人。(这可真奇怪啊)
するとまた風がふいてきて、木の葉っぱがさわさわとゆれ、木の中から♪テンテンテン♪テコテコ、シャンシャンと、いう三味線の音が聞こえました。
风再吹过来的时候,树叶又随风摇摆,从树里又传来♪叮叮叮♪叮咚叮咚,沙沙的三味弦声。
(木だ。この木から聞こえるぞ)
(是树。是从这棵树传来的)
そんな事があってから、村人たちはこの木を『三味線の木』と呼ぶようになりました。
自从那件事后,村民们都喊这棵树为『三味弦的树』
この不思議な木は、風で木の葉っぱがさわさわとゆれるたびに、♪テンテンテン♪テコテコ、シャンシャンと、なりつづけましたが、やがて秋になり、木の葉っぱが全て散り終わると、それからはならなくなったと言う事です。
这颗令人觉得不可思议的树,每次树叶随风摇摆的时候,都会发出♪叮叮叮♪叮咚叮咚,沙沙的声音,不久,秋天来临,树叶都落尽了,之后就没有听到这声音了。