一世を風靡した「とりあえずビール」という言葉が、徐々に力を失い始めている。ここで言う「とりあえずビール」とは、個人の好き嫌いに関係なく最初の一杯はみんなで一緒にビールで始めようということを意味する。
风靡一时的“先干一杯啤酒”这句话,渐渐开始失去市场了。在这儿所说的“先干一杯啤酒”的意思是抛开个人好恶,第一杯大家一块由啤酒开始。
酒類業界のなかでは、数年前からビール需要の減退は確認されてきたが、最近では一般紙の読売新聞ですら「とりあえずビール」の崩壊を記事にするほどである。出荷数量を見ると、ビール単体では過去五年間で四割弱減少しており、発泡酒を含めても微減傾向であることにかわりはない。一方で、キリンアサヒが本格参入したチューハイ(リキュール)の増加は著しい。チューハイの市場規模は、これに料飲店で焼酎から作られる分が加わるので、飲用ベースではさらに大きくなる。
虽说酒业界数年前已经确认了啤酒需要减退这一事实,但最近连读卖新闻都做了“先干一杯啤酒”崩溃的报道。从出货数量看,啤酒单质在过去五年间减少了四成,包括发泡酒,也一直呈微减倾向。另一方面,麒麟麦酒・朝日麦酒正式加入的利久酒增加显著。利久酒的市场规模加上饮品店由烧酒制作的部分,饮用基础变得更大。
「とりあえずビール」という言葉がよく使われるようになった八〇年代までは飲み手にとって、みんなでビールを飲むということには安心感があり、会社やサークルなどへの帰属意識を高めるうえでも効果があった。飲酒が日常になったとはいっても、「とりあえずビール」を頼み、みんなで乾杯をすることにはなにがしかハレの気分が感じられたはずだ。
在“先干杯啤酒”这种说法被经常使用的80年代,对于喜欢喝酒的人们来说,大家一起喝酒令人有安心感,也有增强对公司、圈子归属意识的作用。即使把喝酒做为日常生活的一部分,提议“先干一杯啤酒”,然后大家一起举杯的氛围也能使人感觉很放松、和谐。
一方で、七〇年代後半には飽和点に達した酒としてのビールは、もはや大きな成長は見込めないものと当時考えられていた。ところが現実には、その後も発泡酒が登場するまでにビール消費はさらに一・四倍に膨れ上がった。この部分は、致酔飲料の限界を破り、いわゆる止渇飲料としての市場をビールが取り込んでいったからだと考えられる。アサヒスーパードライを筆頭に従来品よりも苦くないビールが新たな需要を開発した。しかし、最近の傾向はそのポジションをチューハイやワインなどに奪われ始めているのだ。
另一方面,啤酒作为在70年代后半期达到饱和的酒类,被认为已经没有成长空间了。而现实是,那之后到发泡酒上市,啤酒的消费又增长了1.4倍。可以这么认为,这是因为啤酒打破了致醉饮品的界限,进入了所谓止渴饮品市场的缘故。朝日啤酒首先开发了不同于常规的、不苦的啤酒,制造了新的市场需求。但是,最近啤酒的地位有被利久酒和葡萄酒替代的倾向。
若者を中心に広がるビール離れ
以年轻人为中心的远离啤酒现象
サントリーが昨年秋に首都圏で実施した消費者調査(インターネット利用:二〇歳代~五〇歳代男女合計八〇〇サンプル)によると、「酒を飲むのが中心の店に行った時に、最初に必ずビールを飲む」と答えた人は四五%と半分を切っている。
据Suntory(日本洋酒制造公司)去年秋天在东京圈进行的消费者调查(对20到50代男女共800人进行的网络抽查),回答“去喝酒时,开始必定先喝啤酒”的人为45%,占半成。
一方、四九%の人は「気分、場所、相手で一杯目に飲む酒を決める」と答え、残りは必ずビール以外のものを飲むと回答している。かつては、この四九%のほとんどが「とりあえずビール」を選択したであろうし、現在でもそれなりの比率でビールを選んでいると考えて間違いない。性年齢別に必ずビールを飲むという人が少ないのは、女性の三五%と二〇歳代の三五%。飲酒頻度でみると「飲酒回数が月に二・三回以下」が三〇%前後と低くなっている。逆に男性、年齢が高い、飲酒頻度が高いという層は、多くの人がビールからという伝統的な飲酒スタイルを守っているようだ。
另一方面,49%的人回答“根据心情、地点、对象决定先喝什么”,剩下的则表明肯定喝啤酒以外的东西。曾经,这49%之中的大部分应该是选择“先干杯啤酒”的,现在差不多比例的人也一定在考虑选择啤酒。从性别、年龄来看,一定会喝啤酒的人数比例较少的是女性和20代的年轻人,都占35%。相反的,男性、年龄较高、饮酒频率也较高的阶层,大多数人还是保持着先喝啤酒的传统模式。
このようなデータから「とりあえずビール」の揺らぎは、酒そのものをあまり飲まない人に顕著に表れている傾向といえる。
可以说,由这些数据看到的“先干一杯啤酒”模式的动摇,在本身就不怎么喝酒的人身上的表现明显。