放送中のドラマ『silent』（フジテレビ系）が、多くの人の心を捉えている。現在3話まで放送されてきたが、回を重ねるごとに視聴率は上昇、“見逃し配信”を視聴できるTVerでは放送後1週間の再生数が歴代最高記録を塗り替え続けるなど、雪だるま式にファンを増やしている。
现在正在放映的电视剧《silent》（富士电视台）吸引了众多人观看。目前播放了3集，但每重播一次视听率就随之上升，在能够观看“错过播放”的电视台中，播出后1周内重播次数持续打破历代最高记录，粉丝以滚雪球的趋势迅速增加。
『silent』は、声や音楽で繋がり愛を育んできた青羽紬（川口春奈）と佐倉想（目黒蓮）が、“若年発症型両側性感音難聴”をきっかけにすれ違い、音のない世界で出会い直すというラブストーリーだ。紬を大切に想うからこそ姿を消すことを選んだ想。そんな事情を知らず、どうしてももう一度会って話がしたかった紬。2人の間に生まれた愛しい感情と厳しい現実。そんな切なさが募っていく物語にどんどん引き込まれていくのだ。
《silent》讲述了以声音和音乐连系并萌发出爱意的青羽紬（川口春奈饰）和佐仓想（黑眼莲饰）因为“青少年病发型双侧性感音耳聋”，在无声的世界中错过又重逢的爱情故事。佐仓非常珍视青羽，正因如此才选择离开。不了解其中缘由的佐仓无论如何都想再见一面佐仓。两人之间的爱意与残酷的现实纠葛在一起。观众逐渐被这个悲伤的故事吸引。
振り返ってみれば、近年大きな話題となった切ない恋愛ドラマは、10月スタートの秋から冬にかけたドラマが多かったように思う。若年性アルツハイマーを軸に10年にわたる純愛物語が紡がれた戸田恵梨香×ムロツヨシによる『大恋愛～僕を忘れる君と』（TBS系）、連続殺人事件と並行して絶対的な愛情が描かれた吉高由里子×松下洸平×井浦新の『最愛』（TBS系）、盲学校に通う勝ち気な女のコと心優しきヤンキーがピュアな想いを交わしていった杉咲花×杉野遥亮の『恋です！ヤンキー君と白杖ガール』（日本テレビ系）など、今も思い出すだけで涙腺が緩んだ名シーンが蘇ってくる。
回顾近年来成为热门话题的悲伤爱情影视作品，从10月开始的秋天到冬天的电视剧居多。《大恋爱~和忘记了我的你》（TBS电视台）由户田惠梨香和室毅主演，以年轻性阿尔茨海默症为基线讲述了一段10年的纯爱故事。《最爱》（TBS电视台）由吉高由里子、松下洸平、井浦新主演，讲述了与连续杀人事件并行交织的爱情故事。《不良少年与白手杖女孩》（日本电视台），由杉咲花和杉野遥亮主演，讲述了在盲人学校读书的好胜女孩与心地温柔的不良少年之间的纯情爱意。现在一想到这些影视剧，那些泪水肆虐的名场面就会在脑海复苏。
一方で、ドジっ子看護師が超ドSドクターを攻略すべく奮闘した上白石萌音×佐藤健の『恋はつづくよどこまでも』（TBS系）や、バリキャリ女子なヒロインと癒やし系おじさん家政夫という組み合わせが新鮮だった多部未華子×大森南朋の『私の家政夫ナギサさん』（TBS系）など新春から夏にかけてのドラマは、視聴者の胸をときめかせ思わず笑顔になってしまう作品が多いように感じる。もちろんすべてがそうとは言い切れない。しかし、春夏には活動的な季節に合わせてエネルギッシュでキラキラとした恋愛ドラマが、日が暮れるのが早いせいかもの寂しい気分になりやすい秋冬にはじっくりと考えさせられる余韻を含む恋愛ドラマが似合うのではないだろうか。
另外也有从新春到夏天播放的电视剧，其中很多作品都让观众心动不已，笑逐颜开。例如上石白萌音和佐藤健主演的《将恋爱进行到底》（TBS电视台），该剧讲述了冒失鬼护士为了攻略超抖S医生而奋斗向上的故事。多部未华子和大森南朋主演的《我的家政夫渚先生》出现了职场女精英与治愈系的家政大叔的新鲜组合。当然也不尽然如此。不过在春夏配合着活动性季节，那些充满能量、闪闪发光的恋爱电视剧，细细品味时更有韵味，对快节奏生活中极易滋生寂寞的秋冬再合适不过。
もしかしたら『silent』がこれほどの人気を集めたのも、今の季節感との相性の良さにあるかもしれない。初回、『silent』はチラつく雪の描写からスタートする。秋冬は、どこか“降り積もる”イメージが強い。秋は“落葉”、冬は“積雪”、本作ではさながら“言葉”が降り積もる。「おはよ」「おはよ」「雪だね」「雪だね」「積もるかな？」「積もんないでしょ」「積もるな、これ絶対に積もるやつだ」と出会うなり、途切れることのない会話を始める高校時代の紬と想。そこで交わされる一つひとつはすぐに消えてしまうような他愛もない言葉たち。だが、そんなささやかな会話が積み重ねられて、2人の関係性が築かれていったことが伺える。気づけば街を染めるほど積もっていく雪のように、毎日紡がれた言葉で、何度も聞き返された音楽で、紬と想の間に埋め尽くされていった。そう、それは「うるさい」ほどに。
或许《silent》能拥有这样的人气也与当下的季节感有关。《silent》第一季是从飘落的雪开始。给人一种秋冬已在某处“降临堆积”的强烈感受。秋季的“落叶”，冬天的“积雪”，在这部作品中宛若“语言”飘落。“早上好” “早上好” “下雪了” “下雪了” “会有积雪吧” “不会” “绝对会”，两人一见面就开始了喋喋不休的吵闹，这是高中时代的青羽和佐仓，每句纯真的对白都会即刻消散。但这些简单的对话勾勒出了两个人的关系。如同积雪染白街道般，青羽和佐仓之间填满了日日重复的话语、循环播放的音乐。没错，确实是“很吵”。
だが、冬の寒さはこの世界の残酷さを象徴するものでもある。降り積もる雪は、美しくも冷たく厳しい。聴力を失った想が何も伝えずに紬のもとから姿を消して8年。やっとの思いで再会した2人の間には、あの愛しい言葉たちは降り積もらない。とりとめのない会話を楽しみ、愛しい関係を構築していったときに放たれた「うるさい」の言葉が、もはや関係継続は不可能だという拒絶の手話となって返ってくる。そして、その手話の「うるさい」の意味さえも紬には届かないのも悲しい。
但是，冬天的寒冷也象征着世界的残忍。积雪虽美却又冷漠。失去听力的佐仓一言不发离开了青羽消失了8年。终于思念成真两人再次重逢，但却无法表达爱意。曾经他们快乐地说着无厘头的对白，那些在充满爱意的时刻出现的“你很吵”的话语，变成了拒绝复合的手语。悲伤的是，“你很吵”的意义也无法用手语传达。
凍ってしまった氷のように頑なになった想の心。対して、冬場に差し込んだ陽の光のごとく温かな湊斗の優しさに紬が癒やされたのも納得だ。食べられなくなってしまったときに唯一受け入れられたコンポタ（コーンポタージュ）、心を落ち着かせたいときに検索するかわいい動物たちの動画……。じんわりとふんわりと湊斗と交わした言葉たちもまた紬にとっては大切な積み重ねられたものだった。
佐仓的心像冰一样坚硬。但青羽也被如冬日暖阳一般温柔的湊斗疗愈。食不下咽时唯一能吃的玉米羹、想要保持冷静时搜索出来的动物们的可爱视频……另外，对青羽而言，和湊斗交换的温柔对白也成为了重要的积淀。
「今、好きなのは恋人の湊斗。想のことはもう好きじゃない」。そう言葉にするものの、紬の表情や行動は湊斗を落ち着かせなくする。湊斗と同棲するための部屋探しはなかなか進まないにもかかわらず、想と会話をしたいと手話教室へすぐに向かい、「会って話したい」とアグレッシブにLINEを返す。そして、取り付けた約束の日には新しいスカートで向かうのだ。8年ぶりに会話ができる会いたかった人と、約3年一緒に過ごしてきた人とでは熱量が変わるのは当然かもしれない。だが、「それ新しいね、スカート」と、小さな変化に気づくほど湊斗の細かな視線が、今も紬に対して片想いをしているかのようで胸が痛むのだ。
“现在我喜欢的是湊斗。我已经不喜欢佐仓了”。虽然这样说，但是青羽的神情、举止无法让湊斗安心。尽管找不到要和湊斗同居的房子，但青羽想见佐仓的话还是会立刻赶往手语教室，主动用LINE发送“我想和你见面聊聊”的消息。还在见面的那天穿上了新裙子。一边是时隔8年想要见面的人，一边是一起度过3年时光的人，感情自然会有偏向。但细心的湊斗发现了那些微笑变化，“那是件新裙子吧”。湊斗很难过，现在好像只是他在单方面喜欢青羽。
想の別れたい理由は「好きな人ができた」ではなく「好きな人がいる」だった。その好きな人は新しく出会った誰かではなく、紬だったこと。紬が想を忘れようとした結果、好きな音楽のことまで忘れてしまっていたこと。些細なエピソードに見えて、実は物語を大きく動かす心情描写になっていたりする。〈言葉はまるで雪の結晶〉とは、Official髭男dismが歌う本作の主題歌「Subtitle」の一節だ。まさにこのドラマは雪の結晶を観察するかのように、一つひとつの言葉を、そしてやりとりを考察したくなる作品だ。まだ物語は始まったばかり。秋の夜長に、この繊細で洗練されたラブストーリーをじっくりと味わっていきたい。
佐仓提出分手的理由不是“我找到了喜欢的人”而是“我有喜欢的人”。他喜欢的人不是后来邂逅的某人，而是青羽。青羽想努力忘记佐仓，结果甚至忘记了喜欢的音乐。乍看是不痛不痒的情节，实则描绘出了让故事起伏变化的心理活动。“话语如同雪花的结晶”，这句歌词来自Official髭男dism演唱的主题歌曲《Subtitle》。这部电视剧正如观察雪花结晶那样，思量每一句话、每一次交流。故事才刚开始。希望在秋季的长夜中细细体味这段细腻朴素的爱情故事。
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