沪江

日本是一个艺术弱国?

佐佐家的小黄鸡译 2022-03-26 06:15

5兆円といわれる世界の美術品市場。“文化大国”といわれ、美術展があれば長蛇の列ができる日本はどれほどのものなのか。

据说有5兆日元的世界美术品市场。被称为“文化大国”,举办美术展的话,能排起长龙的日本能占据多少呢。

実は、国内の美術品の市場規模は約2300億円(※2020年)。世界の市場規模における割合は約4%しかない。

实际上,国内美术品的市场规模约为2300亿日元(※2020年)。占世界市场规模比例只有大概4%。

世界3位の経済規模を持ちながら、なぜ日本のアートマーケットは小さいままなのか。日本を代表するアートコレクターも「日本は“アート後進国”のレッテルを貼られてしまうのではないか」と日本のアート産業の行方に危機感を抱く。 

虽然拥有世界第3位的经济规模,但为什么日本的艺术市场还是那么小呢。代表日本的艺术收藏家也对日本的艺术产业的走向抱有危机感,“日本会被贴上‘艺术落后国’的标签吗?”。

日本は「メリットなし」

在日本“没有好处”

起業家・京都芸術大学客員教授 川崎祐一 氏

创业者・京都艺术大学客座教授  川崎佑一

年間50点から100点ほどの作品を、国の内外の公共施設や美術館に貸し出すなど、社会的なアート活動も行う川崎氏だが、日本のアート業界について危機感を抱いている。

川崎每年会把50件到100件左右的作品借给国内外的公共设施和美术馆,进行社会性的艺术活动,但他对日本的艺术界抱有危机感。

「このまま税制改正が置き去りになると、日本は“アート後進国”のレッテルを貼られてしまうのではないか」

“如果税制改革还是这样子的话,日本会不会被贴上‘艺术落后国家’的标签呢?”

日本のアートマーケットが拡大しない背景には、ガゴシアンやハウザー&ワースなどの海外のメガギャラリーが進出していないことや、サザビーズ、クリスティーズ、フィリップスといった三大オークションが日本に事務所を構えながらもオークションの開催に至っていないことなどがあるだろう。では、なぜ彼らは日本のマーケットを相手にしていないのか。

日本的艺术市场没有扩大的原因,是因为Gagosian、Hauser & Wirth等海外的大型画廊没有进入,以及Sotheby's、Christie's、Philips这样的三大拍卖会在日本设立了事务所,但是却没有举办拍卖会。那么,为什么他们无视日本市场呢。

川崎氏は、アート作品を購入する日本の“富裕層の数”の問題があると話す。

川崎说,是因为购买艺术作品的日本“富裕阶层数量”的问题。

「海外のメガギャラリーや三大オークション。彼らにとっては、例えば100万円の年間予算のコレクターが1000人いる国よりも、年間5000万円のアートの予算を持っている20人いる国のほうが魅力的に見えるわけです」

“国外的大型画廊和三大拍卖会。对他们来说,比起一年有1000人100万日元的年预算收藏家的国家,一年有5000万日元艺术预算的20人国家更具魅力。”

日本の富裕層は少ないわけではない。野村総合研究所によると、2019年における、保有資産が1億円以上の日本の富裕層世帯は約133万世帯。アベノミクスで大規模な金融緩和がはじまった13年から右肩上がりで増加が続いている。

日本的富裕阶层并不少。据野村综合研究所称,2019年日本拥有1亿日元以上的富裕阶层家庭约有133万户。由于安倍经济学从大规模金融缓和开始的13年开始持续上升。

しかし、なぜ日本の富裕層はアートを買わないのか。そこに、日本の「税制の問題」が絡んでくる。

但是,为什么日本的富裕阶层不买艺术品呢。在这一点上,日本的“税制问题”牵涉其中。

日本の富裕層がアートを買わないワケ

日本的富裕阶层不买艺术品的理由

SBIアートオークションの様子

SBI艺术拍卖的情况

「アートコレクターにとって、日本は税制の面でなんのメリットもない国なんです」 

“对于艺术收藏家来说,日本是一个在税制方面没有任何好处的国家。”

川崎氏が指摘する日本の税制の問題。その一つが“相続税”だ。

川崎指出日本的税制问题。其中之一就是“继承税”。

日本では、法定相続分の取得財産の金額に応じて異なる税率が科され、最大で55%。相続金額の半分以上もの税金を納めないといけない仕組みとなっている。10か月以内に相続財産を申告して、相続税を納める義務があるため、膨大な数のコレクションを築いたコレクターが亡くなった場合、残された遺族は、相続税の対応に苦しむことになる。

在日本,根据法定继承部分取得财产的金额征收不同的税率,最大为55%。构成了必须缴纳继承金额一半以上的税金结构。因为有在10个月内申报继承财产,缴纳继承税的义务,所以如果有庞大收藏数量的收藏家去世的话,剩下的遗属就会苦于对应继承税。

日本にいるコレクターが名画を購入したにもかかわらず、相続税が払えないばかりに、遺族が作品をオークションに出せば、名画は海外に渡る。“美術館級”の作品が日本から出ていくことになれば、国益の損失につながることになる。

在日本的收藏家尽管购买了名画,但因为付不起继承税,遗属将作品拿去拍卖的话,名画就会远渡海外。如果“美术馆级”的作品从日本出去的话,会造成国家利益的损失。

 こうしたアートの流出を防ぐため、日本でも一定の手続きにより相続税の納税を猶予する制度があるのだが、重要文化財や登録有形文化財である必要があり、利用のハードルは高い。

为了防止此类艺术品外流,日本也有通过一定的手续延期缴纳继承税的制度,但是必须是重要文化财产和登记有形文化财产,很多艺术品不满足这个条件。

寄付が浸透する国の背景には “税制の優遇措置”がある

在捐赠渗透的国家   有“税制的优待措施”

ニューヨーク近代美術館(MoMA)

纽约近代美术馆(MoMA)

問題は相続税だけではない。日本では、美術品を寄付することも「税制」のハードルが高い。

问题不仅仅是继承税。在日本,捐赠美术品的“税制”的门槛也很高。

公的機関等に寄贈する場合、日本では美術品の「購入時の取得価格」が、所得から控除されるのが一般的だ。控除額には上限があり、高額な美術品は控除しきれない。

向公共机关等捐赠时,在日本,一般会从收入中扣除美术品“买入时的价格”。扣除额有上限,高额的美术品不能扣除。

一方、アメリカは「寄付する時点の市場価格の100%」が控除される。しかも、5年間の繰越控除が可能だ。こうした税制の優遇措置などが下支えとなり、アートの流出を防いでいる。

另一方面,美国将扣除“捐赠时市场价格的100%”。而且,5年内可以结转扣除。这样的税制的优待措施为艺术品的流失提供了支撑。

川崎氏「良い作品を日本の美術館に残すために、税制の法改正をすぐにでも進めるべきなんです」

川崎“为了在日本美术馆留下好的作品,应该马上进行税制修正。”

日本の文化予算は韓国の1/3

日本的文化预算是韩国的1/3

精神科医・アートコレクター 高橋龍太郎 氏

精神科医生・艺术收藏家   高桥龙太郎

「文化が未来の先兵だとすると、そこにとにかく税金のような網をかけて、それを押しとどめると、日本の文化はもちろん進めないし、日本の未来も前に進めなくなるような気がしています」

“如果文化是未来的先兵,先在那里撒上税金这样的网,然后再加以阻止的话,日本的文化自然就无法发展,日本的未来也无法向前推进。”

「韓国という立派なお手本があるわけです。韓国は音楽もファッションも映画も全部、文化を先兵として送り込んでいる。そのあとに産業がついていく」

“韩国做了一个很好的范本。韩国的音乐、时尚、电影都是把文化作为先兵入侵。之后产业也会跟着发展。”

文化芸術の海外発信や文化財保護などに使われる「文化予算」。日本の当初予算は1166億円(※2020年)で、この10年間の増加率は14%とわずかに増えているが、お隣の韓国は日本円にして約3倍の3438億円(※2020年)。同じ期間で129%の増加となっている。

用于文化艺术的海外传播和文化财产保护等的“文化预算”。日本的最初预算是1166亿日元(※2020年),这10年间的增加率仅仅增加了14%,而邻国韩国换算成日元则是约3倍的3438亿日元(※2020年)。在同一期间增加了129%。

課題山積の日本のアート産業

问题堆积如山的日本艺术产业

近年、韓国は低迷した経済を復興させるため、映画や音楽、芸術などのコンテンツ産業を21世紀における国家の基幹産業の一つとして育成し、国家戦略として発展させていくための法制度や体制づくりを進めている。

近年来,韩国为了复兴低迷的经济,将电影、音乐、艺术等内容产业作为21世纪国家的骨干产业之一进行培育,并推进为了国家战略发展设立的法律和体制。

 一方の日本も、岸田首相が1月に行われた衆院本会議で、「文化アート振興を推進する」と表明。作家の国際展開の支援や、取引市場の活性化に注力するなど、ようやく国としてアート産業に力を入れ始める姿勢を見せ始めている。 ところが、「文化」が経済の発展につながるという認識が弱い日本においては、文化にあてる予算は低いままだ。

另一方面,日本,岸田首相1月举行的众议院正式会议上表明“将推进文化艺术振兴”。作家国际发展的支援、助力交易市场的活性化等,终于开始显示出国家将致力于艺术产业的姿态。然而,日本对“文化”与经济发展息息相关的意识还很薄弱,文化预算还是很低。

「日本もサブカル系のアートだけではなく、絵画や彫刻などのファインアーツも含めて、世界にどんどん発信するシステムにお金を投入することが大事です。クールジャパンが駄目なのは、システムを深掘りすることなく、展覧会で終わってしまっていること。システムとして日本の文化を先兵として、日本の電子や自動車などのクリエイティブな産業が後に続いて世界に出ていくこと抜きに、日本の未来は本当にないと思いますよ」

“日本不仅仅在亚文化系艺术,绘画、雕刻等精细艺术也包含在内,向全世界不断发声的系统里投入资金是非常重要的。Cool Japan是不行的,没有深入探讨系统,而是在展览会阶段就结束了。作为系统,以日本文化作为先兵,除去日本的电子、汽车等有创造性的产业还会在世界上不断发展以外,我觉得日本的未来真的是不存在的”

構造的な課題が山積する日本のアート産業。民間の寄付など、政府予算に限らない様々なリソースが、文化・芸術領域に注がれる構造が求められている。

在结构上,日本的艺术产业问题堆积如山。民间的捐款等,不限于政府预算的各种资源,需要可以为文化、艺术领域注入活力的构造。

翻译为沪江日语原创,未经授权禁止转载。

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