かつて日本には、「ら行」で始まる言葉はなかった!
过去的日本没有以「ら行」开头的词汇!
かつて、漢語(漢字を音読みで読む、中国語由来の単語)が日本語に入ってくる以前は、日本語に元々存在していた固有語(いわゆる「和語」)には、ラ行で始まる単語がありませんでした。
曾经,在汉语(将汉字音读,来源于中国的词汇)融入日语之前,日语固有的词汇(也就是和语)当中,并没有以ら行开头的词汇。
古語辞典をみると「ラ行」の語彙は他の行に比べて格段に少ないですね。
翻阅一下古文词典就会发现ら行的词汇跟其他行的相比少之又少。
「ら行」で始まる言葉は、すべて外来語
「ら行」开始的词汇全部是外来语
私たちが毎日何気なく使っている日本語は、漢語、外来語、そして大和言葉の3種類に分けられます。
我们每天理所当然般使用着的日语,分为汉语、外来语以及和语三个种类。
古来の国語においてラ行音ではじまるあらゆる語について見るに、それはすべて漢語かまたは西洋語から入ったもので、本来の日本語と考えられるものは一つもない。
看一看在古代的国语当中出现的以「ら行」开头的单词,就会发现这些基本上都是来自中国的汉语或者西方国家的语言,完全没有原本就是日本固有的词汇。
日本の古語辞典には「ろうたげなり」などラ行の単語があるが,これも元をただせば漢語起源である。
虽然在日本的古语词典当中有「ろうたげなり」这样的「ら行」的词汇,但是这也是源于汉语。
試しに百人一首全歌をみてみましたら、「ラ行」の単語は一つもありませんでした。
试着去看看百人一首的诗词,也完全找不出一个「ら行」的词汇。
日本語でも江戸時代ロシアを “おろしあ” といっていたように語頭のラ行音は発音しにくいものとして避けられていました。
甚至在日语中,对江户时代的“ロシア”也要读成“おろしあ”,因为开头的「ら行」发音不便,所以尽量避免。
代表的な「ら行」で始まる言葉の由来
具有代表性的以「ら行」开头的词汇的由来
らっきょう(辣韮)
薤
「辣韮」は中国語から。辣はラー油の辣。
「辣韮」源于中文。“辣”是“辣油”的“辣”。
らく(楽)
乐
漢文の中で「楽」という漢字が出てきたときに、「たのしい」という大和言葉を当てた場合と、適する大和言葉がなかったのでそのまま音読みで「らく」という読んだ場合があった。
在中文中说「楽」这个汉字的时候,表达的是一种“开心”的感情,但是在表达这样的感情时,大和语中找不出相应的字词来替代它,因此就学习中文汉字的发音,将其音读成「らく」。
現在では一字で意味を成す珍しい日本語のひとつになっている。
现在它已经成为为数不多的能够以单个字来表达含义的日语单词。
らくご(落語)
相声
「落語」という表記は18世紀から見られますが、当時も「おとしばなし」と呼ばれており、「らくご」と読むようになったのは明治時代以降。
「落語」(相声)这种表达方式出现在18世纪,但在当时也将其称作「おとしばなし」,直到明治时代以后才将其读作「らくご」。
らくだ(駱駝)
骆驼
駱駝の中国名は同じく「駱駝」であり、正名は「たく駝」でした。
跟中文中的名词“骆驼”一样,过去正式的名字是「たく駝」。
中国名で「駝」は「荷を背負う獣」を意味するそうです。
中文中的“驼”这一名词表达的是“背负着行李的动物”。
らっこ(海獺)
海獭
北太平洋に生息する哺乳類、水族館でも人気者のラッコ。
水獭是在北太平洋生长的哺乳类动物,在水族馆中也大有人气。
アイヌ語で本種を意味する「rakko」が起源。
起源是阿依努(今北海道)语中的「rakko」。
らしんばん(羅針盤)
罗盘
方位を知るための道具、コンパス。
为了获知方向的工具,指南针。
火薬、活版印刷術とともにルネサンスの三大発明に数えられます。当然、日本に伝わったその頃にはすでに外国文化の影響も受け大和言葉は変化していました。
跟火药、活字印刷术一同称为文艺复兴时期的三大发明。当然,它传到日本的时候,日语已经受到外国文化的影响,发生了很多变化。
らっぱ(喇叭)
喇叭
「ラッパ」の語源は未詳ですが、オランダ語のroeper、サンスクリット語で「叫ぶ」の意のrava、ravaに由来する中国語の「喇叭(la ba)」や蒙古名rapalなど諸説あるようです。
「ラッパ」的来源尚未考察出准确结果,有一种说法是它来源于荷兰语的roeper、梵语中代表着“叫喊”意思的rava以及由rava产生的中文“喇叭”和蒙古语中的rapal等等。
りく(陸)
陆地
陸を「リク」と読むのは音読み、つまり中国語由来。
将“陸”读成「リク」是音读,也就是说它来源于中文。
訓読み(大和言葉)は「おか」。
如果训读的话就是「おか」。
りす(栗鼠)
松鼠
中国読みの栗鼠(リツシュウ)がなまって、リスになった。
将中文中的“栗鼠”口音化,变成了日语中的“りす”。
りんご(林檎)
苹果
原産地はカザフスタン南部、キルギスタン、タジキスタンとされており、ここからヨーロッパやアジアルートで日本にも広まった。
原产地在哈萨克斯坦南部、吉尔吉斯斯坦、塔吉克斯坦,从这里开始传播至欧洲并经过亚洲线路传播至日本。
現在日本で栽培されている林檎は、明治時代以降に伝えられたものなのだそうです。
现在在日本种植的苹果,大都是明治时代以后传下来的品种。
るり(瑠璃)
琉璃
美しく深い青色、「瑠璃」は古い言葉ですが、インドから中国を経て日本に伝わったと言われています。
有着美丽深蓝色的“琉璃”是古代的词汇,据说是从印度经由中国传至日本的词汇。
れんこん(蓮根)
莲藕
日本語(大和言葉)で読めば「はすね」。
日语(和语)中读作「はすね」(训读)。
「れんこん」は中国読み(音読み)。
「れんこん」是中文的读音(音读)。
ろうそく(蝋燭)
蜡烛
蝋燭は中国から渡来したもので、漢音は「らふしょく」。
蜡烛由中国传至日本,汉字读音是「らふしょく」。
ら行で始まる言葉がないのは、実は古い日本語だけではない
不仅仅是古日语中没有ら行开头的词汇
ラ行で始まらないのは「モンゴル語、満州語、朝鮮語」などのアルタイ語族に共通の特徴だそうだ。
没有以ら行开头的词汇是“蒙古语、满洲语、朝鲜语”等阿尔泰语族的共同特征。
韓国語でもラ行や濁音は本来語頭に立たず、今ではそうではないでしょうがちょっと前まではラ行で始まる外来語などは発音しにくそうにしていたそうです。
在韩语中,ら行以及浊音本来不会放在词头,虽然现在的情况有了一些改变,但不久前以ら行开头的外来语在发音时还是有一点吃力。
語頭にr音が立たないことが日本語のアルタイ語族に所属する根拠とされ、日本語アルタイ語系説が長く続いてきた。
没有办法在词头顺利地发出r这个音是日语属于阿尔泰语一族的依据,从很久以前就开始流传日语属于阿尔泰语系。
なぜ日本語やアルタイ語族には「ら行」始まりの言葉がないのか?
为什么日语以及阿尔泰语没有以「ら行」开头的词汇?
アルタイ語族の発祥地は、現ロシアのツンドラ地方です。
阿尔泰语的发现地在今天的俄罗斯的冻土地带。
当時の地球気候で(何万年前か知りませんが)、その地域は人の顔の形が変わるほどの寒さだったようです。
由于当时地球上的气候(不知是几百万年前),当地的人们饱受寒冷之苦以致改变了脸型。
そこから南下して現在のようにこれらの語族が広まったといわれています。
接下来据说这些族人南下,扩大到了今天的语族规模。
ラ行音を発音するとき舌を内側に丸めますよね、このとき少し外気を吸い込みませんか?
如果想要发出「ら行」的音,就要将舌头向内侧卷起,这种时候总是会多多少少吸进一些外部的空气吧?
この外気が非常に冷たくて死ほど身体を冷やすのものだとしたら、そこに住んでいる人間は語頭のラ行音を自然と避けるような気がします。
外面的空气非常寒冷,吸入空气会让身体迅速变得冰凉,因此住在当地的人尽可能地避免一开口就去发出这种音。
単純にその頃の日本人には語頭の「r」音が発音しにくかったからかもしれないといわれています。
也有可能只是因为当时的日本人很难发出「r」的音而已。
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